疑問に思った事や悩んだ事は、とりあえず調べてみる。
自分が困っている事ならば、他の人も同じような事で困っているはずである。
これは決して上から目線ではなく、自分如きが何か特別な課題を発見できるとは思っていないという、自己分析の結果である。
先日、仕事での出来事である。
「ごちゃごちゃ言わないで、いいからやれ。」
打ち合わせで上司の企画に対して、納得できない事が多々あった。
自分で言うのもあれだが、私は素直な可愛い部下ではない。
素直な気持ちで言葉を投げかけた。
「目的、課題は明確ですか?先を見据えていますか?」
「手を動かす前にまずは計画を立てた方が、生産性上がると思いますよ?」
「時間と工数の無駄ですよ。」
自分よりも二回りほど歳の離れた部下に、こんな事を言われたら、上司の気は良くないだろう。
口論の末、冒頭の言葉を頂戴した。
昼休みになり、上司の「いいからやれ」発言への対処方法を、Google先生に聞いてみた。
「上司 いいからやれ」 検索
実にシンプルであるが、それなりの検索結果が表示された。
やはり、私と同じように、世の中の部下は困っている。
対処方法はどんなものがあるだろうか。
一つの記事が目に入る。
上司に「いいからやれ」と言われた時の「できる部下」の行動はコレだ!
・三流は、従わずに反論する。
・二流は、素直に従う。
・一流は、上司の意見を尊重しつつ、軌道修正を行う。
「一流」になり、成果をあげよう!
(ざっくりその時見た記事の内容です。この記事の内容について、良いとか悪いとか言いたい訳ではありません。)
なるほど。私は三流のようだ。
世の中の部下達はこのように対処しているのか。
だが、この記事の対処方法は果たして正しいのだろうか?
この記事は以下のように変えても成り立つ。
管理職あるある?「いいからやれ!」と言った時に分かる?!面倒くさい部下の行動ランキング!
・3位は、上司の意見を尊重しつつ、軌道修正してくれる。
・2位は、素直に従ってくれる。
・1位は、従わずに反論してくる。
上司にとって、自分の顔をたてつつ、軌道修正してくれる部下が当然一番だろう。
素直に従ってくれるのは最低限であり、反論してくる部下なんて、最も面倒くさく邪魔な存在である。
最初の記事は、「上司に困っている部下に寄り添っている」ように見えるが、実際は、「上司に都合の良い部下になるように誘導」しているのだ。
この記事は管理職か経営者など「部下を使う立場の人間」が書いているのだろう。
実際、自分のためを想っての言葉が、実はそうではないパターンは良くあることだ。
今一度、「誰目線の言葉なのか?」慎重に見極め、取捨選択する必要がある。
そうしなければ、知らず知らずのうちに、その人の「都合の良い人間」に作り変えられてしまうかもしれない。