就職活動をした事はあるだろうか?
「自分はどういう人間か」
「他人より優れていることは何か」
「今後どういう人になりたいか」
二十数年間、自分が生きてきた成果を発表する場であり、将来の行く末を占うビッグイベントであ
(正直、もう二度とやりたくない。)
最近は、そんな就職活動のやり方も多様化し、とりわけ際立つのが『公開オーディション』である。
「NiziU」や「BE:FIRST」で聞いたことがある人も多いだろう。
有名プロデューサー主導の下、アイドルを目指す若者が歌やダンスを披露し、自分がどんな人間か、何ができるかをアピールする。
それを各種メディアを通して配信する。
候補者の人生がかかった大一番。
美男美女が夢に向かって頑張る姿に視聴者は心を打たれる。
結果は視聴者の投票により決定され、合格した人は落選した人の分も頑張ると涙を流し、落選した人も今後の糧にと前を向く。
一つのエンタメとして完成されている。素晴らしいものである。
ところで、この『公開オーディション』について、似たような制度をどこかで見たことないんだろうか?
そう『選挙』である。
選挙対策委員長主導の下、立候補者が自分をアピールする場である。
マニフェストの実現可能性は不明だが、立候補者の多くは有名大学を出て、社会で揉まれてきた猛者達であり、抜群のマイクパフォーマンスを魅せる。
(言い換えれば口が上手い)
時には過激なパフォーマンスで有権者の関心を引くことしかできない者もいるが、それはそれでいい味がある。
政治家にとっては、これが「就職活動」である。
今後の人生がかかっていれば、雨が降っていても、暑くても、下げたくない頭を下げてでも、朝からチラシを配る事くらい何でもないだろう。
我々一般人とは違い、働き始めてから、何度も頭を下げ、下を向きながら働く生活とは違うのだ。
(社会人になってから、下を見ながら歩く時間が多いように感じる。気のせいだろうか。)
さて、投票率が低いと言われる選挙。
自分より優秀な大人たちが必死に頭を下げてくる機会は、ここを除いてもう無いだろう。
そんな人たちの「人生を左右するかもしれない一票」が自分にあると思うと、些か興奮を覚えないだろうか?
せっかくの『公開オーディション』。
堅苦しく考えずに、エンタメとして『選挙』を楽しんでみてはいかがだろうか。
だがやはりアイドルと比べると、やはり幾分か華が足りない。